リンゴ愛
蜜の入ったリンゴは果汁たっぷり
シャリシャリジューシーで
とっても美味しい。
リンゴの表面がボコボコしている「いぼり」が
入ったリンゴは 見た目は悪いけど
たっぷり栄養を吸収したリンゴだそう。
家は代々リンゴ農家だったので
リンゴはいつも身近にあった。
リンゴは気が向いたら食べる程度。
だけど
蜜の入ったリンゴは好んでよく食べていた。
美味しい期間は短くて
収穫の時期はとてもワクワクした。
皮が赤くて 小さくて硬くて
パイナップルみたいなハチミツみたいな
いい香りがフワンと鼻に抜ける。
うっすらとピンクがかった果肉
リンゴの半分くらいは蜜だった
ような気がする。
子供の頃の遠い記憶。。。
十年ほど前
祖父母のリンゴ畑へ行った時
遠くの木に成るリンゴの一つが
キラキラ光る宝石のように
お日様の光を浴びて
スケルトンのように透けて
輝いているように見えた。
思わず走って行って見てみると
スズメバチが食べたような
500円玉程の大きな穴。
穴から見える果肉は半透明で
果汁がたっぷりと溜まっている。
見たこともない光景に我を忘れて
そのままガブリとかじってみる。
歯ごたえはシャリシャリなのに
果汁が桃のように溢れ出て
指の間から滴り落ちる。。。
そんな経験をした。
今では祖父母も亡くなり
リンゴは身近ではなくなってしまったせいか
いつもいつもリンゴが食べたくて。
何でもそうだけど
近くにあると有り難みがなくて
なくなって初めて気付く。
人であれ物であれ
今身近にあるもの程
大切にしたい。
感謝したい。
ちなみにスケルトンりんごは「北斗」
北斗は果汁たっぷりの品種で10月下旬が旬
市場にはあまり出回らない様子。
青森へリンゴ狩りに行き
リンゴ畑の木の枝で完熟した北斗を食べることが
私の長年の夢。
もしまたスケルトンりんごに出会えたら。。。
もしまた蜂さんに食べられていても
またガブリついて
滴る果汁を飲み干したい。