拝啓 芽キャベツ様
あなた様に恋心を抱いたのは5年前の冬。
そのお姿は前々から存じておりましたが
お近づきになるチャンスがなく
今まで過ごしてまいりました。
知人のお宅へお邪魔した時
テーブルの上の大きなお皿の脇の方で
圧倒的な存在感を放っていたあなた様。
主役がドーンと真ん中に
位置しているのにも関わらず
私にはあなた様が眩しくて
一瞬にして心奪われました。
決して着飾ることもなく
ただ茹でられただけなのに。
ただ半分にカットされただけなのに。
その堂々とした存在感に惚れ惚れしました。
そして
その甘み
その歯ごたえと
ほろ苦さに
私はもうメロメロです。
ポン酢であっさり
マヨでこってり。
フライにしたら
あなた様が主役で間違いありません。
そんなあなた様にお会い出来るのは
今のこの寒い時期だけ。
このチャンスを逃すことなく
お目にかかれるよう
私から会いに行かなくては
また来年までお会い出来ないのです。
とても寂しゅうございます。。。
私もあなた様を育てる喜びにあやかろうと
小さな子孫達を購入しておりましたが
記憶からすっかり抜けていて
本日思い出した次第でございます。
ううう。。。
寒いのはあまり好きではありませんが
あなた様にお会いできるのでしたら
多少の寒さも我慢致します。
あなた様を求めて
いま会いにゆきます。。。